ベリス・メルセス宣教修道女会

新聞の川柳の中から
ひるった一句
思い出す度にほほえましく
喜びが湧いてくる

「あれ持って来いと言えば
 女房あれを持ってくる」

長い桔婚生活を通して
少々言葉が足りなくても
互いに通じるものが生れていて
気持の優しさが
空気のように漂っている

そこに辿りつくまでに
ひとつひとつの山を登り
涙をのんで谷をくだり
からいばりや
欠点さえも受け入れて
包み込む抱擁力
たわいない日常のシーンが
積み重ねられて
愛が育てられたいま
すべてがミックスされて
ご主人の中に
ひとつの川柳が生れてくる

この世の隅にひっかかる
さりげない庶民の一句が
人間とは
これはど素晴らしいものとの想いを
新たにしてくれる