Read More安部志保子 恵の詩, …人は2出会い……人は生れる時両親を選ぶことはできない人はなにに望みを託してなにをつかむのでしょう別れ……人は両親と別れる時なんの相談もなく奪われてしまう人はそこになにを求めなにを失うのでしょう 人は出会いそして別れ哀しみの眼にうつる最色はなぜ美し...
Read More安部志保子 恵の詩, …小さな命③何かが視野をかすめたような気がしてベランダを見た一羽の雀がとまっていた.'(都会の雀はスリムだね)ステンレスの手すりが似合っている やっと見つけたクーラーから出る水滴にくちばしをつけてまさに雀の涙のよう浅い流れの水を口にふくんだ雀小さな頑を...
Read More安部志保子 恵の詩, …潮の流れに今朝私の胸に剌さった言葉がヒリヒリと心のひだにくいこんでくるさりげなく受け流すにはあまりに弱い私だから冬の海を見に行った 珍らしく静かな日本海 鈍色(にびいろ)の海に点々と浮ぶ島空も海もひとつになって.はるかかなたの水平線白い小さな波のうね...
Read More安部志保子 恵の詩, …市井の福音新聞の川柳の中からひるった一句思い出す度にほほえましく喜びが湧いてくる 「あれ持って来いと言えば 女房あれを持ってくる」 長い桔婚生活を通して少々言葉が足りなくても互いに通じるものが生れていて気持の優しさが空気のように漂っている そこに辿り...
Read More安部志保子 恵の詩, …流れていく時が休みなく流れていく傘寿をすぎるとザアザアと音をたてて流れていくあれもこれもみんな流れにまかせてきたけれどここらあたりでエイ!と方向をかえて流れてみたい気もしている 不順な天候も思いがけない天災も流れにのまれてとけこんでいく気の遠くなるよ...